校長より生徒の皆さんへ【第2回】

おはようございます。
校長から生徒の皆さんへ、第2回目の言葉です。

 

7月18日(月)

生徒の皆さんへ

 

「人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲くなり」

この言葉は、代表作に「友情」、「愛と死」等がある武者小路実篤さんという近代日本の作家が残した言葉です。本当は、この言葉の前に「天与の花を咲かす喜び 共に咲く喜び」という言葉がつき、「天与の花を咲かす喜び 共に咲く喜び 人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲くなり」と続きます。
自身を花に例えたこの言葉を直訳すると、「天から与えられた自分自身を咲かす喜び、他者と共に咲く喜び、そして、人が自分を見ていても、見ていなくても構わない、私は私として咲きます」となるのだろうか。

植物が人の目を気にせず、季節が廻ればその花を美しく咲かせるように、私たちも自然のままに、自らの尊い命を咲かせればいいという意味だと思う。社会生活を送る上で、時に私たちは他人の評価や世間の価値観に振り回されてしまいがちだ。しかしこの言葉は、一人ひとりそれぞれが、かけがえのない命を、自分らしく凛とした姿勢で生きていけばいいのだと伝えていると思う。

これは、この世にただ、私だけが尊いという意味ではなく、また、他人と比べて自分の方が尊いということでもない。本当の意味は、私たち一人ひとりが、「この世にただ一人の、誰とも代わることのできない人間として、かけがえのない尊い存在、尊い命」であるということだろう。それぞれの個性の違いを認め合い、優劣なく、それぞれすべての命が尊いのだと認識することに他ならない。

寒い冬を乗り越え春を迎え、そして夏に至るとき。草花が芽吹き、花が咲き、世界が花の色で色彩豊かに染まり、生命力あふれる季節に。また、新しい生活を迎えた生徒や学生が、それぞれの美しいいのちの花を咲かせることを願ってやまない。

校長 中村三喜

 

 

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