校長より生徒の皆さんへ【第5回】

おはようございます。
校長から生徒の皆さんへ、第5回目の言葉です。

 

7月28日(木)

生徒の皆さんへ

 

「長い目で見れば人生には無駄がない」

(本田 宗一郎 : 本田技研工業 創業者)

 

人生には、様々な試練や転機がある。試験や就職、恋愛や結婚等々。私たちはこのような場面で、もちろん誰しもが失敗するよりも成功することを願っている。しかし、私たちは、これらがいつも成功するとは限らないことも過去の経験から知っている。人生には無駄な経験は何一つないのだ。どんな場合でも、その人の捉え方一つで後の人生に役立てることができるのである。

「ホンダ」の創業者である本田宗一郎氏は生前次の様に述べていたと言われている。「私の現在が成功というなら、それは過去の私の失敗が全部土台作りをしていたからだ。仕事は押しなべて失敗の連続である。99%は失敗の連続であった。そして、その実を結んだ1%が現在の私である。」

また、仏教を開かれたお釈迦様は29才の時に出家され、35歳の時に菩提樹の木の下で悟りを開かれ仏陀(目覚めた人)となったという。これはよく知られている事実だ。私たちはこの場合、悟りを開かれた事ばかりに目がいき、お釈迦様の6年間の修行をつい否定的に考えてしまいがちだが、お釈迦様が悟りを開かれたのは、6年間の修行があればこそではなかったか。

よく私たちも一日ボーッと過ごしてしまった日の夜に「今日は無駄な時間を過ごしてしまったな」というような思いを持つことがあろう。でも本田宗一郎氏の失敗、お釈迦様の6年間の修行、そして私の一日は本当に無駄なものなのだろうか。

本田宗一郎氏やお釈迦様のように一見失敗とか無駄だと思えることでも、そのことの積み重ねがあればこそ、それが花開くこともあるのだ。

しかし、必ず花開くとは限らない。いや花開かないときの方が多いかもしれない。私たちの人生は一見すると無駄の連続かもしれない。だが、どんなに無駄と思える時間も、長い目で見れば何かの教訓になっていることを忘れてはならない。

何が無駄で何が無駄でないか、これは誰にもわからない。たとえば私が無駄だと思って放っておいたことを他の方が行って大成功を収め後で悔やむこともあるかもしれない。

「人生には無駄がない」という言葉は、「忙しい、忙しい」が口癖の様になって、何でも先延ばしにして結局何もしようともしない私たちに「人に勝つより自分に負けないように生きていって下さいよ」と教えているのではないだろうか。

校長 中村三喜

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