校長より生徒の皆さんへ【第6回】

おはようございます。
校長から生徒の皆さんへ、第6回目の言葉です。

 

8月1日(月)

生徒の皆さんへ

 

「俺は 人間の いいところを見る。その方が 面白いよ」

 

これは、「寅さん」こと渥美清さんの言葉だ。「男はつらいよ」シリーズは全48作品を数える東京下町の人情味あふれる作品だが、この言葉からも主人公の人柄そのままの渥美さんのあたたかい眼差しが伝わってくる。
どんな人にも個性がある。個性は人の目に、ときに長所、ときに短所として映る。そして、長所、短所と判断する根拠は、これまで生きてきた中で培われた自分の価値観だ。この人はこういう人柄だと説明する時に、同じ人を表現しているのに人によって捉え方が違うことがある。それは、個人の見方や相手との関係性が異なるためだ。

価値観は人それぞれだ。しかし、日々の生活の中で接する一人ひとりのいいところを見つけることを習慣にしていけば、多くの人のいいところに気づき、いいところをたくさん持った人々に囲まれて生活している自らの環境に感謝の気持ちが持てるのではないだろうか。
昔、仏の世界に、常不軽菩薩という方がおり、この方は、出会う人すべてに敬いの気持ちを持って合掌礼拝をしたという。信仰がある人でも、そうでない人でも、どんな人であろうと、みんな仏の子として合掌された。そして「あなたは仏になられる方なのだから、自分を大切にしてほしい」と語りかけられたと伝わっている。
日常生活の中で相手を仏と思い敬うことは難しいかもしれない。しかし、相手の異なる個性を尊重し、相手への敬愛の気持ちを持って接すれば、自然と自らの言動も思いやりを持ったものになるだろう。

そして、相手を敬う気持を持てば、相手のいいところがより多く見えてこよう。日々の生活の中で、関わる人々のいいところをたくさん見つけることができれば、見える世界が変わり、人生はとても豊かなものになるのではないだろうか。

校長 中村三喜

 

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