校長より生徒の皆さんへ【第7回】

おはようございます。
校長から生徒の皆さんへ、第7回目の言葉です。

 

8月4日(木)

生徒の皆さんへ

 

「苦手な人と付き合う」

 

自分とは異なる意見を持っていたり、違う生き方をする人間とは付き合わずに、自分の自由になる者としか仲良く出来ないという生き方では、将来を展望できないだろう。

私はこの世界で人間ほど面白いものはないと思っている。年齢を積み重ね、経験を蓄積して変化していくからである。また、同じ1人の人間が様々な顔を持っているからである。この上なく優しく、そして時にはこの上なく残酷になるのが人間でもあるのだ。

だからややこしいのだが、人が人と付き合うには、人間のそのややこしさに関心を持ち、それを辛抱強く理解して、そして楽しみたいと思うことが必要になる。

つまり、人と楽しく付き合う第1歩は、自分とは異なるから嫌いというのではなく、違うから面白いという考えを持つことではないだろうか。

逆説的だが、苦手な人と付き合う一番良い方法は、無理をしないということである。嫌でも避けて通るわけにはいかないと思い込み相手に合わせて無理をするから、とても疲れてしまうのであって、ますます向き合うのが苦痛になってしまうのだ。

よく考えてみると、つい苦手な人を避けてしまうというのは、自分が変わるということや自分を否定されることを極端に恐れているからではないだろうか。だが自分の殻に閉じこもっているばかりでは、1人の人間としての成長はストップしてしまうのである。

人は、わざわざ苦手な人と付き合わなくても、気の合う人とだけ付き合っていれば良いのにと言う。しかし、分かり合える人とばかり付き合うことは結局、自分という人間の幅を狭めることになりかねない。楽な分だけ、自分が成長することも期待できないのである。

苦手な人と積極的に付き合うことによって人間としての幅がぐんと広がり、どうやって相手に心を開かせるかという勉強をすることにもなる。その勉強は、好きな、分かり合える人との付き合いをもっと深いものにしてくれるはずだし、新たな出会いのチャンスを多くしてくれることにもなる。

より多くの人と付き合えるということは、自分が生きていく上での様々な可能性を開けることである。だから違うということを認め合い、同時に成長しようという気持ちを持って、苦手な人との付き合いを大いに楽しんでみてはどうだろうか。

中村三喜

 

 

 

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