9.9(月)志を問う
2024年9月9日(月)
生徒の皆さんへ
「志を問う」
中国は三国志の時代、蜀の天才軍師諸葛孔明が、ある一戦に国の興亡をかけて、あらん限りの知略を立てた。それによって、蜀軍は大いに敵軍を打ち破ることができたのである。
味方の諸将が意気揚々と自分の功を報告する渦中、名将趙雲は最後に帰陣するなり、ひざまずいて孔明に詫びた。「あなたからこれほどの策をいただきながら、肝心の敵の大将を討ちもらしました」と。
小さな戦果を誇張する将が多いなか、最も功があった趙雲が孔明の無念を思い、自身も慚愧する様を見て、孔明はあらためてその志の高さに感嘆したという。
何事においても、その終わりには、様々な結果が出る。目標を達成できた歓喜、手が届かなかった悔しさ、感慨は人それぞれあろう。
そこで、忘れたくないのは志である。小さな業績を評価しないというのではない。ただ、何事の終わりには、己の志をふり返り、足らざる自分を総括し、猛省を促すべき大切な時ではないだろうか。次に取り組むべき課題の飛躍を期すればこそ、わが志を問い直したいものである。
注記:三国志(さんごくし、三國志)は、中国の後漢末期から三国時代にかけて群雄割拠していた時代(180年頃 – 280年頃)の約100年に亘る興亡史であり[1]、蜀・魏・呉の三国が争覇した三国時代の歴史を述べた歴史書でもある。著者は西晋の陳寿(233年 – 297年)(詳しくは『三国志 (歴史書)』を参照)。
校長 中村三喜