3.19(水)慣れ

3月19日(水)
生徒の皆さんへ
 
 

「慣れ」

 初めて何かに取り組むときには、誰もが緊張感を持ち、基本に忠実に、間違えないようにと十二分に気を配る。
 そして、難しさに嫌気がさしたり、行き詰まったりしながらも、少しでも上達しようと自分を励まし、何度もやっているうちにだんだんうまくなってきて、いつのまにか意識しなくてもスムーズに運べるようになる。
 だが、慣れというものは怖いものである。それはいずれ、ともすると惰性に変わっていく。惰性に流されていくようになれば、油断や気の緩みが生じ、思わぬ大きな失敗を招きかねない。また、そこで進歩が止まってしまうことにもなろう。
 大事なのは、慣れても慣れないことである。経験を積んで覚えたコツを生かして要領よく進めつつ、一方で、当初の緊張感と熱意を失わない。この微妙なバランスをとっていくところに、失敗を未然に防ぎ、自らをさらに向上させていく勘所があるのではないだろうか。
 慣れてきたなと感じたら、ときに初心に立ち返り、常に日に新たな気持ちで事に当たるように努めたい。
 

校長 中村三喜

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