校長より生徒の皆さんへ【第17回】
校長より生徒の皆さんに第17回目の言葉です。
2024年4月8日(月)
生徒の皆さんへ
「傷つけない」
見方によれば、人は日々、互いの心を傷つけ合って生きているのではないか。自分の無遠慮な振る舞いが人を不快にし、意味ありげな他人の言葉に棘(とげ)を感じる、そうした、人を傷つけたり、傷つけられたりした経験は誰にでもあろう。
ただ、それが大きな問題にならないのは、多くの人が寛容な心で水に流しているからに違いない。
もちろん、時には傷つけられた怒りを溜めこむ人もいる。
まして、自分が貶(おとし)められ、相手が反省していないときなど、憤(ふん)まんやるかたないことだろう。だからといって怒りをぶちまければ、また新たに傷つくだけである。
まずは傷つく人を減らそう。そのためには、人の心の痛み、悲しみに共感できる力を、お互いもっと養おう。そうすれば、誰かが傷つきそうな場合に、早めにブレーキがかけられる。
傷つくのは自分だけではない。誰だって傷つくのである。それに、「人を呪(のろ)わば穴二つ」、人を傷つけようとすれば自分にも必ず返ってくる。そんな心の因果をよく心得て、人格を高め合いたい。
校長 中村三喜