校長より生徒の皆さんへ【第20回】

校長より生徒の皆さんに第20回目の言葉です。

 

2024年4月11日(木)

生徒の皆さんへ

 

 

「回り道」

 努力すれば報われると信じて、懸命に取り組んでいるのに、なかなか思うような成果が上がらない。むしろかえって状況が悪くなる。もう一度、と思い直してぶつかるたびに跳ね返されて、気が滅入り自信が揺らぐ。そのうちにいつしか訪れる深刻なスランプ。仕事や人間関係などで、誰もが何度かは経験する人生の試練である。

行く手を遮る障害物に出遭った場合、何とかこれを乗り越え、突き破ろうと正面から取り組むことは、むろん大事である。けれどもそれに囚われて、それしか道はないと思い込むのは早計だろう。

障害物の中には、乗り越えられないものも、突き破れないものもある。それに対してただ体当たりを繰り返すだけでは、心身共に疲れてしまう。一息入れて時を待つとか、一歩下がって力を蓄えてから出直すとか、対処の手立ては他にもある。

あせらずにいま一度、障害物の正体を冷静に見極めてみたい。そして改めて、我がとるべき策を考えてみたい。回り道が近道かもしれないのである。

校長 中村三喜

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