7.25(木)雨が降れば

2024年7月25日(木)
生徒の皆さんへ
 

「雨が降れば」

 雨が降れば傘をさす。傘がなければ風呂敷でもかぶる。それもなければ濡れるしかない。
 雨の日に傘がないのは、天気のときに油断して、その用意をしなかったからだ。雨に濡れて、はじめて傘の必要を知る。そして次の雨には濡れないように考える。雨が上がれば、何をおいても傘の用意をしようと決意する。これもやはり、人生の一つの教えである。
 わかりきったことながら、世の中にはそして人生には、晴れの日もあれば雨の日もある。好調の時もあれば、不調の時もある。にもかかわらず、晴れの日が少し続くと、つい雨の日を忘れがちになる。好調の波が続くと、つい行き過ぎる。油断する。これも、人間の一つの姿であろうか。
 このことを戒めて昔の人は「治にいて乱を忘れず」と教えた。仕事にしても何にしても、この道理はやはり一つである。
 雨が降れば傘をさそう。傘がなければ一度は濡れるのも仕方がない。ただ、雨が上がるのを待って、二度と再び雨に濡れない用意だけは心がけたい。雨の傘、仕事の傘、人生の傘、いずれにしても傘は大事なものである。
 

校長 中村三喜

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