8.7(水)記憶

2024年8月7日(水)
生徒の皆さんへ
 

「記憶」

 遠い日のさまざまな出来事。「あのときは楽しかったなあ」と懐かしく思い出すこともあれば、「あの人に申し訳ないことをしてしまった」と、思い出すたびに後悔の念にさいなまされる出来事もある。
 だが、誰でも昔の友達と話をしていて、自分ではすっかり忘れてしまっていることや、自分の記憶と違うことを言われて驚くといった経験をしたことがあるだろう。
 それは人間の記憶がいかに曖昧なものかを物語っている。だから、自分がずっと気に病んでいることを、他人はもう覚えていないということも、実際、よくあるのである。
 自分の行いや言葉が周囲に迷惑をかけたり、相手を傷つけたりしたと思うのなら、心から詫び、二度と同じ過ちをしないよう肝に銘じる。そうすれば、あとはいたずらに過去を引きずり、悔やむ必要はない。
 もちろん忘れてはいけないこともあるけれど、そう考えることで気持ちが軽くなる。そしてそれが、今を大切に生きることにもつながっていくと言えよう。

校長 中村三喜

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