8.8(木)過去

2024年8月8日(木)
生徒の皆さんへ
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「過去」

 心が沈んだり辛くなったりしたとき、人はよく「あの頃はよかった」とか、「もう一度あの時代に戻りたい」などと考える。しかし、そのときどきで、やはりそれなりの悩みや不安はあったはずで、時の経過がそれを忘れさせ、過去のよい思い出だけが記憶にとどまっているのであろう。
 過去というものは、人によって捉え方が大きく違ってくる。いつまでたっても過去から抜け出せず、心の傷が癒えなかったり、「昔はよかったのに」と思いつつ日を送る人もいれば、過ぎたことは過ぎたことと割り切って生きる人もいる。
 もちろん過去の出来事を振り返り反省する姿勢は、次に失敗しないためにも必要であろう。思い出を大事にすることも人生を味わい深いものにする。
 だが、どんなに悔やみ、嘆いても過去は変えられないし、どんなに望んでもそこには戻れない。いたずらに過去に囚われ、今を無為にしてしまってはもったいないと言える。
 確かなのは、誰にとっても時間は有限であるということ。それならば、お互い未来に目を向けて、自らのありたい姿を描き、それに向って今この時を大切に過ごしたい。

校長 中村三喜

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