8.20(火)旧友

2024年8月20日(火)
生徒の皆さんへ
 

「旧友」

 お盆で帰省してきた旧友との再会。不思議なもので、どんなに離れていても、どんなに久しく会っていなくても、一瞬のうちに心は昔に帰り、思い出話に花が咲く。日々の張りつめた心がいつしか癒され、解き放たれていく。しばし旧交を温めて、次に会うまでの互いの息災を祈り、精進を誓い合う。
 だが一方で、再開を約しても、いつまた会えるのか、もしかするとこれが最後かもしれないという思いに時として襲われることがある。実際、そうした危うい土台の上に人生は立っているのではないか。
 一年経てば、親しい友も自分も、確実に一つ年をとっていく。それが自然の理である。そう考えれば、こうして今年も無事、相まみえたことが限りなく嬉しく、かけがいのないひと時に思えてくる。
 日常に追われ、周囲の誰もが自分のことで精一杯。そんな中でふと感じる寂寥感。そのような時、自分をありのまま受け入れ、同じ時を過ごしてくれる友がいることは、お互いの人生において深い意味を持っているのではないだろうか。

校長 中村三喜

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