8.22(木)家族や地域が変わった

2024年8月22日(木)
生徒の皆さんへ
 

「家族や地域が変わった」

 60年代以降の日本は高度経済成長期が続く中、日常の生活は豊かで便利になった反面、文化や心の問題がおざなりにされてきたのが、戦後日本の姿である。
 経済成長に伴って父親は残業で家に帰らず、子供たちも受験戦争で塾に通い、帰ってもすぐ自分の個室に入ってしまう。夕食はバラバラになり、一家団欒がなくなってしまった。
 家族の次には地域社会が崩壊した。かつては子供たちが外に出れば近所の怖いおじさんや豆腐屋のおばさんに声をかけられ、いろんなことを教えてもらった。でも、そうしたつながりは面倒くさいものとして避けられるようになってしまった。アパートはマンションになり、今ではオートロック。外部の人が気楽に入れなくなり、隣近所との付き合いもなくなっていく。
 今は、コンビニや自動販売機で、話をしなくても買い物ができる。スマホやパソコンを使えば、外に出る必要もない。いっさい言葉を発せずに暮らすことができる。人間への関心は薄れ、スマホや携帯のメールだけでやり取りする。子供たちは社会的なつながりを知らないまま大人になっていく。これでいいのだろうか。それでいいのだろうか。

校長 中村三喜

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