8.28(水)行動しないとダメ
2024年8月28日(水)
生徒の皆さんへ
「やっぱり行動しないとダメ」
現在、日本の若い人の間には「どうせうまくいかないんじゃないか」という閉塞感漂っている。ひたすら考えたり悩んだりしている人は少なくない。考え抜いて諦める人もいる。でも、やっぱり行動しなければだめだ。
日本の社会は情報で溢れかえっている。スマートフォンをちょっと覗けば失敗例はいくらでも見つかる。何がリスクか、何が問題かも直ぐにわかる。失敗を避けるための情報が溢れている。ただ、情報を集めるのは簡単になったものの、自分の力で考えるのが面倒くさい行為になってきてしまったように見える。
こんな時代だからこそ考えることはとても大事になのだ。行動は思考の結果であるとともに、新しい考えに到達するためのヒントにもなる。若い人たちは可能性の塊なのだから、自分から制約してはもったいない。
「便利」「早い」と普及しているスマホでの短い表現には、豊かな語彙や状況に応じた柔軟な表現は望むべくもない。緻密な思考や論理も不在がちだ。スマホの使用頻度が高いほど、大学生の語彙レベルは中学生並だとの指摘もある。
だが、これは大学生に限ったことではない。ITの発達、すなわち便利さの追求によって大事なものが失われ、「考える葦」である人間ならではの力の衰退になりかねない。
このことを自覚し、これを補完することは家庭や学校教育の課題であり、個々人も心すべき問題である。手間暇をかける言語活動が考える力を育み、脳を活性化させ、より深い思考を可能とするからだ。
校長 中村三喜