9.12(木)背負う

2024年9月12日(木)
生徒の皆さんへ
 
 

「背負う」

 人は誰もが重荷を背負って生きている。たとえば、国中の期待を背負って戦うアスリートや、命のために一刻を争う医療チームの姿には頭が下がる。
 一方、重圧には見えなくても、家族を守る、組織の任務を遂行する、伝統の技術や文化を継承するといった責任を全うすることだって、実は大変な重荷ではないだろうか。
 身軽な生き方を望んでいたつもりが、境遇や性格に左右され、気がつけばいろいろなものを背負っている。手放したいものもあるが、もはや背負うこと自体が生き甲斐となっている。案外、人生とはそういうものかもしれない。
 時には重さに耐えかね荷を軽くしたくなることもあろう。しかし、それでは結局他人の荷を重くするだけだ。心掛けたいのは、自分の荷はしっかり背負い、他人の荷を見れば少しでも軽くしてあげる心の持ち方を鍛えることではないだろうか。
 背負い続けていれば苦しみや悲しみは日毎訪れる。だからこそ互いに励まし合う心根も養いたい。荷の重さは変わらなくても、少しは心が軽くなるに違いないから。
 

校長 中村三喜

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