9.27(金)心の雲

2024年9月27日(金)
生徒の皆さんへ
 

「心の雲」

 日が落ちるとともに吹いてくる涼やかな風。いつ始まったのか集う虫の音。見上げれば、澄んだ夜空に月が皓々と輝いている。
 この空のように、我が心に一点の曇りなしと言いたいところだけれど、なかなかそうはいかない。日常のさまざまな出来事や人との交わりの中で、ともすれば悩みや煩悶が生じ、思案に暮れる。
 人生晴れた日ばかりではない。雨の日もあれば曇りの日もある。しかし、雲に覆われていても、たとえ土砂降りの日でも、雲の上にはいつも変わらず月は輝いている。
 種々の事柄に追われて日を送るうちに、いつしか心に雲がかかり、物事の真の姿が見えなくなってはいないか。囚われや私心といった、お互いの心にかかった雲を吹き払い、澄みわたった秋の夜空を心に取り戻したい。そうすれば、なすべきこと、進むべき道もきっと見えてくるに違いない。
 しばし足を止め、夜空を仰ぎ見よう。心に雲をかけてはならない。月を見失ってはならない。

校長 中村三喜

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